日焼け止めを塗ったはずなのに、髪がギシギシ…その原因、実は“髪についた日焼け止め”かもしれません。紫外線から肌は守れても、髪には逆効果になるケースも。この記事では、髪が傷む原因成分と、今すぐできる正しい落とし方&ケア方法を詳しく解説します。
日焼け止めが髪をギシギシにする原因とは?

紫外線吸収剤・散乱剤が髪に与える影響
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して熱エネルギーに変換することで肌を守りますが、その過程で髪の表面から水分を奪い、乾燥させてしまいます。髪は肌よりも構造が繊細なため、影響を受けやすく、パサつきやきしみが生じる原因になります。特に、強い日差しの下で長時間過ごすと、髪の内部のタンパク質が損傷を受け、枝毛や切れ毛ができやすくなることもあります。
また、紫外線散乱剤に含まれる酸化チタンや酸化亜鉛は、微細な粒子として髪の表面に残留しやすく、ゴワつきや重たさを感じるようになります。これらの成分は水に溶けにくいため、シャンプーでは完全に落としきれず、蓄積することで手触りの悪化やスタイリングのしづらさにつながることがあります。さらに、カラーリングをしている髪の場合は色素が紫外線で分解されやすく、色落ちが早まるというデメリットもあります。
髪の乾燥やキューティクル損傷のメカニズム
日焼け止めには油分やアルコールが含まれており、これらの成分が髪に付着するとキューティクルの構造にダメージを与えます。キューティクルは髪の表面を守る大切なバリアですが、剥がれたり乱れたりすると、内部の水分が失われやすくなり、パサつきやゴワつきが生じやすくなります。乾燥した髪は絡まりやすくなるだけでなく、ツヤや柔軟性も失われ、見た目にも疲れた印象を与えてしまいます。
また、髪が乾燥した状態が続くと、ブラッシングや摩擦によってさらに傷つきやすくなり、悪循環に陥ってしまいます。とくにアルコールは蒸発するときに水分を一緒に奪ってしまうため、頻繁に使用する日焼け止めには注意が必要です。
汗や皮脂と混ざってダメージが悪化する理由

夏の暑さで汗や皮脂が多く分泌されると、日焼け止めの成分と混ざり合って髪や頭皮に付着しやすくなります。この混合物が髪の根元に残ることで、毛穴を詰まらせたり、フケやかゆみ、ベタつきの原因になります。特に、洗髪を怠ると頭皮に雑菌が繁殖しやすくなり、ニオイやかゆみなどのトラブルにつながることもあります。
さらに、汗の中に含まれる塩分は髪の水分を吸い取ってしまうため、乾燥を促進します。皮脂と日焼け止めの油分が混ざることで、髪が束になりやすくなり、見た目にも清潔感が損なわれてしまうでしょう。このように、日焼け止めは髪に直接塗っていなくても、結果的に髪や頭皮に残って悪影響を及ぼすことがあるのです。
髪に付いた日焼け止めの正しい落とし方とNG行動
ぬるま湯すすぎ+クレンジングシャンプー
まずはぬるま湯で髪全体を丁寧に予洗いすることが大切です。特に髪の根元や耳の後ろなど、日焼け止めが付きやすい箇所を指の腹でやさしくなでるように洗いましょう。予洗いだけでも髪に付着した汗やホコリ、そして一部の日焼け止め成分を落とすことができます。
次に、ディープクレンジング用のシャンプーを泡立ててから使用し、髪と頭皮をマッサージするように洗います。クレンジングシャンプーは通常のシャンプーより洗浄力が強く、スタイリング剤や日焼け止めなどの油性成分をしっかり落とすのに適しています。ただし、使用頻度が多すぎると髪の油分まで取りすぎてしまうため、週1〜2回の使用にとどめるのが理想です。シャンプー後は、保湿力の高いトリートメントやヘアマスクでしっかりと水分を補給しましょう。
オイルや重曹・リンゴ酢の併用法
髪に残る日焼け止めがしつこい場合には、シャンプー前のオイルクレンジングがおすすめです。ホホバオイルやココナッツオイルなどの植物オイルを髪全体に優しくなじませ、5〜10分ほど置いてから、ぬるま湯ですすぎます。これにより、油分が日焼け止めの成分を浮かせて落としやすくしてくれます。その後にクレンジングシャンプーを使うことで、さらに効果的な洗浄が可能になります。
また、重曹を小さじ1ほど水に溶かしてペースト状にしたものを、髪の汚れが気になる部分になじませる方法もあります。これは皮脂や整髪料、日焼け止め成分を分解しやすくする働きがあります。ただし、重曹はアルカリ性が強いため、週1回程度に留め、使用後は必ず保湿ケアを行いましょう。リンゴ酢を水で薄めたリンスは、髪のpHバランスを整え、キューティクルを引き締める効果があり、さらなる補完ケアとして有効です。
絶対に避けたい洗髪のNG例
日焼け止めによる髪のダメージを悪化させないためにも、洗髪時には注意すべきNG行動があります。まず、熱すぎるお湯は髪と頭皮の必要な油分を奪い、乾燥やギシギシ感を助長してしまうため、38℃前後のぬるま湯が最適です。次に、指の爪で頭皮を強くこすったり、髪をゴシゴシこすったりすると、キューティクルが傷つきやすくなります。指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。
さらに、シリコンが多く含まれる重めのトリートメントは、髪の表面を過剰にコーティングしてしまい、日焼け止め成分と混ざって蓄積されやすくなります。特に、洗い流さないトリートメントは適量を守ることが大切です。洗髪後のタオルドライも、ゴシゴシこすらず押し当てるように水気を取ることで、ダメージを最小限に抑えられます。
紫外線ダメージから髪を守る!おすすめヘアケア方法

保湿・補修に役立つトリートメント成分
パンテノール、セラミド、アミノ酸、シアバターなどの保湿・補修成分が配合されたヘアマスクやアウトバストリートメントを使いましょう。これらの成分は、髪の内部に潤いを与え、キューティクルのダメージを補修しながら保護する効果があります。特に、紫外線や日焼け止めによって傷んだ髪には、集中補修タイプのトリートメントがおすすめです。
アウトバストリートメントは、洗い流さないタイプで日中の乾燥や摩擦から髪を守ることができます。髪質に合わせて、ミルクタイプやオイルタイプ、ジェルタイプなどを使い分けるとより効果的です。細い髪には軽めのミストタイプ、太くて硬い髪にはオイルタイプが適しており、使用後のまとまり感や指通りも改善されやすくなります。また、週に一度はディープケア用のヘアパックを取り入れることで、髪の強度と柔軟性を高めることができます。
髪専用日焼け止めのメリットと選び方
髪にも日焼け止めが必要な理由は、紫外線による乾燥や褪色、ダメージから守るためです。髪専用の日焼け止めは、肌用とは異なり、保湿成分や補修成分が含まれているため、髪に必要な潤いをキープしながらUVカットができます。スプレータイプやオイルタイプが一般的で、外出前に簡単に使えるのが魅力です。
最近では、シリコンフリーや香料控えめのナチュラル処方のものも人気を集めており、敏感肌の方でも安心して使えます。さらに、カラーケアや熱保護などの機能を備えた多機能タイプも登場しており、ドライヤーやアイロンの熱からも守れる点が好評です。製品を選ぶ際は、髪質や使用シーンに合わせて、軽やかな仕上がりか、しっとり系かを見極めることが大切です。
外出時に使えるUVカットスプレーの使い方
外出時には、朝のスタイリング後に髪全体にまんべんなくUVカットスプレーを吹きかけることが基本です。特に、分け目やトップ、毛先は紫外線の影響を受けやすいため、意識的にカバーしましょう。スプレーの噴霧は髪の表面だけでなく、内側にも軽く届くように髪を持ち上げながら使うと、より均一に保護できます。
さらに、UVカット効果は時間とともに薄れていくため、外出時間が長い日は2〜3時間おきの塗り直しが推奨されます。汗や湿気で効果が落ちることもあるため、携帯用のミニスプレーを持ち歩くと便利です。また、紫外線だけでなく、エアコンによる乾燥からも髪を守るために、保湿成分を含むUVスプレーを選ぶと一石二鳥です。香り付きタイプを選べば、気分転換やフレグランス代わりにもなります。
肌に日焼け止めを塗るときの「髪に付けない工夫」

髪をまとめる・スポンジを使うなどの塗り方テクニック
首や額に日焼け止めを塗るときは、髪が顔まわりにかからないように、事前にヘアクリップやゴムなどでしっかりとまとめておくことが重要です。特に前髪やもみあげなど、うっかり触れてしまいやすい部分は丁寧に避けることで、髪への付着を大幅に防げます。また、髪をまとめる際には、後れ毛などもピンで固定するとより効果的です。
さらに、生え際などに塗る際は、手で直接塗るのではなく、スポンジやメイクブラシを使うことで、日焼け止めの広がりをコントロールしやすくなります。スポンジを使えば、余分な量を抑えてムラなく薄く塗布できるため、髪の生え際や額のラインに沿ってきれいに仕上げることができます。特に汗をかきやすい人やメイクの上から塗り直す場合にも便利です。
また、塗布時は顔を少し後ろに傾けて、髪が肌に接触しないようにする姿勢を意識するのも効果的です。帽子やタオルで髪を一時的に覆ってから塗る方法も、屋外での塗り直し時などにおすすめです。
塗った後の余分な成分の処理方法
日焼け止めを塗ったあとは、乾く前に髪と接触すると付着しやすくなるため、塗布後すぐに髪を下ろすのは避けましょう。まず、ハンカチやティッシュで肌表面を軽く押さえ、余分な油分や未吸収の成分を取り除くことが大切です。このひと手間を加えるだけで、髪へのベタつきやダメージのリスクを大幅に下げることができます。
加えて、UVカット効果を持つフェイスパウダーなどを重ねておくと、仕上がりがサラッとして髪への付着をさらに抑えられます。特に前髪が肌に触れやすい方は、パウダータイプを使うことで付着しにくくなるため、メイクの仕上げとして取り入れるのも良い方法です。
髪がギシギシになるのを防ぐ夏の紫外線対策まとめ
- 日焼け止めの成分が髪に悪影響を与えることがある
- クレンジングシャンプーやオイルでしっかり落とすことが大切
- 髪専用の日焼け止めを取り入れると、紫外線と乾燥を同時にケアできる
- 肌に日焼け止めを塗るときは、髪への付着を防ぐ工夫を
- 保湿・補修ケアを習慣にし、ツヤのある髪を夏でもキープ!